過去ログ - 屋上に昇って
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805:名無しNIPPER[saga]
2016/03/04(金) 23:11:12.08 ID:iGqfryU8o

 ……いや。

 情況証拠だけ見れば、たしかに疑わしいかもしれないが、俺は鷹島スクイと顔を合わせて、対話したことがある。
 あいつはたしかに存在する人間、のはずだ。

 ……でも、どうだろう?

 俺は、俺以外の前にスクイが姿を現すところを見たことがあっただろうか。
 誰かが来た途端姿を消したり、していなかっただろうか。

 かといって、あんなふうに他の人格をはっきりと人間のように感じられたりするものなのか?

 それに関しては……まあ、なってみないと分からなそうだけど。

 通常は、存在に気付かないものではなかっただろうか。

 とはいえ、まあ、似たような存在なら聞いたことはある。
 イマジナリーフレンド……。

 こさちは、そういえばなんて言っていた?
 
“影”と、そう言っていた。

 思いつくのは、ユングの元型。

 でも、それを言ったのはこさちだ。

 こさちは、何なんだ?

 ……アニマ?
 でも、元型論ってそもそも夢の話だったような……。

 ……駄目だな。
 妙な知識ばっかり集めたせいで、変な方向にばっかり頭が冴える。

 今俺が考えなくちゃいけないのは、俺の身体に別の人格がいて、そいつが俺の身体を勝手に動かしてるなんていうのは、“気持ち悪いし考えにくい”ってことだ。
 スクイとこさちが協力して俺を担ごうとしてるだけかもしれない。
 
 嘉山が俺をスクイと呼んだあとの記憶は、俺にはない。
 そのあいだに、俺の知らない何かがあって、こさちは俺をからかっただけなのかもしれない。

 いずれにしても……気になることは気になるけど……気にしても仕方ない。

 俺が今考えなきゃいけないのは目前のテストのこと。
 それから……なんだっけ?




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