過去ログ - 屋上に昇って
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811:名無しNIPPER[saga]
2016/03/08(火) 00:09:43.95 ID:In4DJ8ILo

「いい天気ですね」って、ぐーんと伸びをしながらるーが言う。
 彼女は楽しげに、ステップでも踏むみたいに路上を歩いていく。

 どうしてだろう?

 見惚れる。
 それはたぶん、似たような景色を見たことがあるからだ。

 目が離せない。

 俺が見ていることに気付いて振り向くと、るーはちょっと恥ずかしそうにむっとした顔をつくって、なんですか、と呟く。

 なんでもないよ、と俺は目をそらす。

 いつもそうだ。俺は大事なことから目を逸らしている。
 自分でも分かってる。
 
 本当に俺がすべきなのはきっと、

 ――にゃー。

 と、猫の声がした。

「……」

 振り返ると、一匹の白い猫が向こうの角で立ち止まっている。




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