815:名無しNIPPER[saga]
2016/03/08(火) 00:11:36.41 ID:In4DJ8ILo
「……タクミくん?」
るーが、立ち止まったままの俺を振り返る。
気付かれてしまった。
慌てて電話をかけ直しても、よだかは出てくれない。
動悸にとらわれて、頭がうまく働かない。
どうしてそうなったのかすら分からない。
“かわいそうな子”。
“かわいそうな子”としての、よだか。
俺はそれを、
「――なあタクミ、おまえ、ベースだよ」
「……え?」
見ると、前方で立ち止まっていたゴローが、こっちを見ていた。
「おまえはベースで、俺がギターで、高森がボーカルだよ」
「……いや、だからそれは」
何かを言おうとして、何を言おうとしたのか忘れてしまった。
「もうさ、面倒なのはやめにしようぜ。おまえが何かに囚われてることなんてみんな分かってる。
藤宮だって、高森だって、佐伯だって、たぶん部長だって、みんなみんな気付いてる。おまえ、ちょっと変だから」
「……変、って」
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