825:名無しNIPPER[saga]
2016/03/08(火) 00:17:23.84 ID:In4DJ8ILo
「……タクミ、くん?」
「……あ。おひさしぶりです」
声を掛けると、ちい姉は急に顔を赤くして、ばたばたと扉を出て行った。
「着替えてくる!」
「いってらっしゃい」
すず姉がくすくす笑う。
「……なんで急に」
戸惑いながらつぶやくと、すず姉が説明してくれた。
「知ってる人だと思ったら、気の抜けた格好が恥ずかしくなったんじゃない?」
「……そういうもんですか?」
「わかんない。ちい姉、ちょっと特殊だから」
るーの方を見ると、彼女は困ったみたいに、呆れたみたいに笑った。
そんな顔を、あの頃のるーは、ちい姉にはしなかった。
いつもちい姉に気を使ってるみたいに見えた。
「それにしても」、とるーは言った。
「ちい姉、タクミくんのこと、すぐにわかっちゃいましたね」
「……」
俺も、それがいちばん意外だった。
すず姉だって名前を言うまで気づかなかったし、るーに至っては何日も経ったあとにようやく確認したのに。
「そういう人だからね」
というすず姉の言葉に、るーはちょっと複雑そうな顔をしていた。
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