836:名無しNIPPER[saga]
2016/03/11(金) 23:30:26.23 ID:pZZx+2x0o
すず姉はストラップを首にかけてすぐ、ピックももたずに弦を押さえた。
右手の指が弦の上を滑るように弾くのと同時に、音がうねりはじめた。
波濤の壁が部屋を押し広げた。
右手の指がさらりさらりと簡単そうに動くのとほとんど同時に、左手の指はうねうねと指板の上を這いうねる。
そのたびにアンプは音を伝える。
すげえ。
すごすぎて何をやってるのかも分からないし、そもそも本当にすごいのかどうかも分からねえ。
「……と、とりあえずこんな感じで」
「……はあ」
俺たちは言葉を奪われた。
「で、タクミにはこのくらいできるようになってもらうから」
「……え? いや……」
「ちなみにベースはあんまり存在感がないわりにミスるとすぐにバレるパートだから」
「え、なにそれ……」
「ま、特訓ね」
そして俺の頭は無駄な思考を働かせる余地を奪われた。
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