857:名無しNIPPER[saga]
2016/03/15(火) 01:00:01.45 ID:D5zp7PClo
「……そのさあ」
と静奈姉はけだるげに首をかしげた。
「いいかげん、振られた女に対する妙な気遣いやめてよー」
と言って、静奈姉がすず姉の頭をわしゃわしゃ撫でた。すず姉は「あはは」とまた笑う。
「何年経ったと思ってるの?」
「えっと……何年ですかね? 五年?」
「そう。そんくらい?」
「たぶん。どうかな」
「……なんていうか、すごいよね」
「なにが?」
「なんで別れないんだろう」
「……すごいですよねえ、あのふたり」
「なーんか、付き合い始めの頃、すぐに別れちゃうことを期待してた自分の性格の悪さだけが、こう……」
「わかります、わかります」
「悲しくなるくらい、あのふたり、まっとうなんだよねえ」
静奈姉は一杯目のチューハイですでにぽやぽやした顔をしていた。
「だからわたし、だめだったんだろうなあ」
そう呟いた静奈姉は、小さな子供みたいに見えた。
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