947:名無しNIPPER[saga]
2016/03/27(日) 20:23:40.08 ID:5txwhAa2o
ふと、思い出したことがあった。
一緒に雨に濡れた猫のこと。
いつのことだったっけ?
どんな猫だったっけ?
あの猫は、どこにいったんだ?
どうして、あの猫と一緒にいたんだろう。
思い出せないことばかりだ。
「そろそろ戻ろう、るー」
「……うん」
頷いても、るーは戻る気配を見せなかった。
「……もうちょっとだけ」
そう言って、彼女はもたれかかってきた。
俺は、半分あきらめたみたいな気持ちで、彼女の肩に腕をまわしてみた。
るーはくすくす笑った。
「なに?」
「なんでもない」
満足そうなため息を漏らして、るーは頬を肩に寄せてくる。
「何をやってるんだろうな」
「何をやってるんだろうね」
結局、動き出すまで、けっこうな時間がかかってしまった。
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