過去ログ - 敏恵「ストライクウィッチーズ……じゃないの？」
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908:名無しNIPPER[sage saga]
2016/08/12(金) 20:18:12.72 ID:se+jWC1xO
　



――――しかし、その時の私は大きく見誤っていた。


あの夜工藤が見せた妖の如き威風は既に鳴りを潜め、虚ろなまま時々何かに怯える抜け殻の様なあいつが私を待っていた。

工藤敏恵には若い魔法力と訓練で培った幾何かの技量が有るだけで、英雄の資質など持ち得る訳が無いく、全てはあの薬がもたらした事に過ぎなかったのだ。


気力も抜け動く事も儘ならなくなったあいつに、私はやむ無くヒロポンを打ち続けるしかなかった。

だがもしそうしなければ、他に如何にかしていれば、確かに私はあいつを救ってやれたのかもしれん……。



……とは言え、その時の私はあの夜の衝撃に絆され、己の無念と野心が報いられる事に考えが及んでいた。


そして帰国後、少なくとも私は自分のしてしまった事に後悔した。



　

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