過去ログ - 男「兄貴はつらいよ」妹「性的な意味で」兄「ちょwww」
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54: ◆68b3SKzuAs[saga]
2016/01/14(木) 01:00:33.57 ID:fNfdUm9uo
『娘さんが生まれたそうですね。おめでとうございます。』

叔父「ありがとうございます。」

『何でも趣味で使われている部屋をお子様の為に一つ整理されたとか』

叔父「ええ、断腸の思いでしたが…生まれてきた彼女の顔を見てやって良かったな、と今なら確信を持って言えますね」

『数々の蔵書、愛書を手放された事に後悔はありませんか?』

叔父「そうですね…私の青春を支えてくれた『彼ら』との別れに痛みが無いと言えば嘘になりますが、昨今はミニマリズムなんてものも流行ってますでしょう?」

叔父「そう言った執着をも手放す―言わば、これは今までの私との決別であり、子供だった事への卒業…儀式(イニシエーション)なのです」

『親になる覚悟完了、といった訳ですね』

叔父「何事も節目はやってきます。今も。そしてこれからも」


『ところで。まだ、【コレクション】は継続されてるようですね』

叔父「……ええ」

『当初、奥様からは『全て』の処分を打診されたと伺いましたが?』

叔父「……妻も人の子です。私の苦中を察し、考えを改めて貰えました。寛容な伴侶を得て果報者ですよ、私は」

『多様な趣味を持つ事を許される。素晴らしい奥様ですね』

叔父「……含みをもたせた言い方ですね…」


『―親身にされている甥御さんたちはお元気でしょうか?』

叔父「…………ええ、元気にしているそうですよ。先日も今回の蔵書整理に協力してくれましてね」

『一つ、耳に挟んだのですが』

叔父「………」

『蔵書の中で、わけても『一生手放さない』と誓ったものを甥御さんに託されましたね?』

叔父「………ええ。それが何か」

『花とゆめコミックスから刊行されている『フルーツバスケット』と『星は歌う』―どちらも高屋奈月先生が手掛けられた非常に素晴らしい作品ですね』

叔父「……私の青春を、いや人生を変えたと言ってよいでしょう。人は素晴らしい。だがそれと同等に酷く傲慢で残酷だ。だからこそ愛しいと知る事が出来る。…それを教えてくれたのは高屋奈月先生です」

『血肉となったであろう、貴方にとってのバイブルとも呼ぶべきそれらをなぜ手放せたのですか?』

叔父「血肉となったからこそ、それらを甥達にも伝えたい。そう思うのは間違ってますか」

『いえ、素晴らしいと思いますよ。それだけに―』




『なぜそれを娘さんにも伝えようとなさらないのか。それが不思議でなりませんね』

叔父「―ッ!!」


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