過去ログ - 【二次創作聖杯戦争】Pastime　Game　２８【募集鯖鱒】 -SS速報VIP

過去ログ - 【二次創作聖杯戦争】Pastime　Game　２８【募集鯖鱒】

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953: ◆v.By3fESrTsY[saga]
2015/12/14(月) 23:07:29.53 ID:OukZLldR0
【再開】

その差はどこにあったのだろうか。
全身から血飛沫を吹きだす痩身の剣士と、その倍はあろうかという体躯の狂戦士。
一撃一撃ごとに剣士の体は砕け、折れ、壊れ、潰れていく。
血反吐を吐きながら、血流を逆流させながら、剣士はまるで星が降り注ぐような重さを受け止める。

だが、その光景は決して剣士の劣勢に終わらない。
一撃ごとに剣士の周囲をまるでその体ごと飲み込まんとするような業火が舞う。
贖罪と冤罪の炎、その炎によって溶かされた銀が、命が、刻一刻と狂戦士を蝕んでいく。

剣士の最期は壮絶の一言に尽きる。信じたモノすべてを裏切り、そして裏切られた。
その心中はいかばかりのモノだったろうか。その絶望は、怨嗟は、どれほどのモノだっただろうか。
そして、濡れ衣であったはずの悪魔さえもをその身に宿した感覚は。

彼がその體（なか）に囲う怪物は邪悪の化身、バフォメット。
淫蕩と悪逆の魔にして、彼らを崩壊へと導くイスカリオテのソレ。
もはや救世主などはどこにも無く、故に彼は何も望まない、何も信じない。虚ろな伽藍はただ世の崩壊を嘯く。

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曰く、神がいるならば、この世が壊れるときには姿を見せるのだと。
見せないならばそれまでのモノ、俺の人生は、人などはその程度のモノ。
絶望と虚栄、そしてそれに基づくこの世全てへの無力感が、皮肉にも彼の原動力だった。

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