10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:37:44.13 ID:/ylhE4Sso
「……ともこ、行きましょ」
「あっ、あかねちゃん……でも……!」
「だめよ。大室さんは今忙しいみたいだから」
「あかねちゃん……」
吉川ともこ。
赤座先輩と同じくして、四年前中学二年生だった私を可愛がってくれていた、茶道部部長。
当時の私が……一番心を許すことのできた先輩。
手を繋いだまま遠ざかり、人ごみに紛れていく二人の背中を見送った。
「撫子……もしかして、今の人に私たちが一緒にいるところ見られちゃまずかった……?」
「……ううん、そんなことないよ」
申し訳なさそうに肩をすくめた彼女の手をとって、私は赤座先輩たちと反対方向に歩き始めた。
細かいことは何も考えたくなかった。自分の過去よりも二人の先輩のことよりも、今は目の前の彼女のために一生懸命でいたかった。
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