11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:38:16.00 ID:/ylhE4Sso
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中学二年生の私は、生徒会役員であると同時に茶道部も兼任していた。
そこまで人数が多いわけでもなく、ひっそりとした少人数の静かな部活だったが……私にとっては居心地のいい場所だった。
なにより……心を開いて接することのできる仲のいい先輩がいた。
それが吉川ともこ先輩だった。
どの程度吉川先輩に心を許せたのか? それは私が赤座先輩への告白を実行する前、想いを伝えても大丈夫かどうかを彼女に相談に乗ってもらうくらいだった。
誰にもしないような相談事でも……吉川先輩にだったら、気軽に話すことができた。
(吉川先輩……私は、あなたにゴーサインを出してもらったから……だから一歩前に出たんですよ)
(その先輩が今になって……赤座先輩と付き合ってるんですか?)
(私たちって一体……なんだったんですか)
今日も私はベッドに寝転び、かなり忘れかけている昔の記憶を……忘れたいけど忘れちゃいけないような記憶を、必死になって思い返している。
四年も経って今になって、一体何をやっているのか。あの時恋に負けたのは私で、私自身も長い時を経て未練は全て断ち切った。新しい彼女もできたし、むしろあの過ちは私を大きく成長させてくれたとも、今は思っている。
それなのに……なぜこんなにも、心がモヤモヤするのか。
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