16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:41:59.67 ID:/ylhE4Sso
はっきり言って、私は今の赤座先輩と吉川先輩が純粋な両想いで付き合っているとは思えなかった。
吉川先輩の想いはひたむきに赤座先輩に向かっていることだろう。だが赤座先輩のほうがわからなかった。
もし吉川先輩と今付き合っていて……吉川先輩を一途に想っているならば、こんな手紙を私に送ってくるわけがないのだから。
「どうしてもっと押してくれなかったのって……四年前、あのとき私がもっと強く告白してたら、あの人はオーケーを出してくれたってことなんでしょうか」
「…………」
「その話を今更、こんな形で蒸し返すだなんて……それは赤座先輩が、吉川先輩に心から向き合ってないことの証拠なんじゃないですか?」
「…………」
「すみません……お二人の関係にヒビをいれてしまったかもしれませんね。でもこれが送られてきた以上……そしてあなたに今日呼び出された以上、どうしても見過ごせなかったことなので」
「いいの。いいのよ……」
吉川先輩は悲しげに微笑むと、少し宙を見上げながら言った。
「私もね……なんとなくわかってたの。あかねちゃんが私を……私だけを見てくれてないこと」
「えっ……」
「私の告白にはオーケーしてくれた。でもあかねちゃんが一体その目で何を見ているのか……私にはまだわからないのよ」
「あかねちゃんはきっと……大きな何かに悩んでいるんだと思う」
弱々しく笑う先輩の顔を見ていると……なんだかいたたまれなくなった。
そして、助けてあげたいと思った。
四年経ってもこの人は……私の大事な大事な先輩だった。
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