28:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:50:09.33 ID:/ylhE4Sso
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小さな街路灯の下で、身体を縮こめて待っていたあかねに……撫子は後ろから抱き着いた。
バランスを崩してよろけるあかねに、今度は反対側からともこが強く抱き着く。
二人に挟まれて抱きしめられるあかねは、一体何が起こったのかと慌てる。
そんなあかねに……撫子は言った。
「先輩……」
「っ……?」
――先輩は……誰かに好意を向けられること、そしてそれに応えることが……あかりちゃんを裏切ることに繋がると思ってませんか。
「!」
「あかねちゃんにとってのあかりちゃんが、どれほど大きな存在かはわからない……でもあかねちゃん、それはきっと間違っているわ……!」
「あかりちゃんのために、自分の好きなものから目を背けるなんて……そんなことは絶対にしないでください!」
「…………」
「好きなものは好き! それだけでいいじゃないですか……!」
「一生懸命に好きなものを追いかける……そんなあかねちゃんが、私たちは大好きなの……!」
「え……」
「目を背けないで……目を閉じないでくださいっ! あなたの周りの人はみんな、あなたのことが大好きなんです!!」
「あかねちゃんは本当に……本当に多くの人に愛されているのよ……!」
「っ……ぅぅ……!」
「どうか、目を向けてあげてください……!」
「どれだけの時間がかかってもいい……私たちもあかりちゃんも、ずっとずっとあなたの元にいるわ……!」
「!!」
撫子とともこは、泣きぬれるあかねの目に指をそえ……その涙を拭った。
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――
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