5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:32:18.77 ID:/ylhE4Sso
生徒会長としての生徒会活動も終わりを迎えるころ、私はそれまで積みあがってきた想い昂ぶって……赤座先輩に告白をした。
とにかく先輩に夢中だった。先輩に可愛がってもらっている自覚はあったし、うまくいくビジョンしか見えていなかった。恋は盲目とはよくいったものだ。
学生恋愛っぽく、赤座先輩の下駄箱に手紙を入れて呼び出し……誰もいない放課後の生徒会室で、きちんと想いを伝えた。
しかし……彼女は少しうつむいて何かを考えると、いつもの笑顔の中に申し訳なさを含ませたような面持ちで、私に告げた。
『……ごめんなさい』
『えっ……』
『私……他に好きな人がいるの』
それからどんなことを話したかは詳しく覚えていない。二、三言葉を交わして「フラれた」という自覚をようやく持てた私が、逃げるように生徒会室を飛び出したような記憶だけがなんとなくある。
うまくいくイメージしか持てていなかっただけに、告白が失敗した後の学生生活は……登校拒否になりそうなくらい鬱屈としたものだった。
赤座先輩はそれでも私に手を差し伸べてくれていた。きっとあの人は、誰かから告白されることに慣れていたのだろう。付き合うことはできなくとも、今まで通り友達として、先輩後輩としての関係を守ろうと努力してくれていた。
私はそれを素直に受け取ることができなかった……私はまだまだ、子供だった。
39Res/35.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。