6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/17(火) 00:32:48.39 ID:/ylhE4Sso
しかしこんな私にも、今は彼女がいる。
時計を見ると、夜21時だった。あと一時間で彼女からの電話が来る。誰にも秘密の二人だけの電話……友人たちに関係を隠しながらではあるが、心から楽しいと思える恋ができていた。
私はもう……中学時代とは違う。
「ねーちゃん?」
「ん……」
「入るねー……ってあれ、寝てんの?」
「いや、まだ寝ないけど……なに?」
急に部屋の扉がノックされたかと思うと、パジャマ姿の櫻子が入ってきた。この子がこの時間私の部屋に入ってくるときは、大抵遊びの道具や漫画を貸してくれという用事がほとんどだが……今日の櫻子はどうやら違う目的のようだった。
「昨日のことなんだけどさ」
「えっ」
「あかりちゃんのお姉さん……ねーちゃんも会ったでしょ?」
「……それが、何?」
「なんかね、そのお姉さんからねーちゃんに手紙だって。今日学校であかりちゃんから渡されたの」
「!」
櫻子はそう言うと、片手に持っていた薄水色の便箋を私の元へ差し出してきた。
私はその便箋に……確かな見覚えがあった。
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