過去ログ - モバP「たまには飛鳥といちゃいちゃしよう」
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103:名無しNIPPER[saga]
2015/11/27(金) 09:04:10.23 ID:kt56RThDO
「キミは、なにを考えているのか」

唐突な飛鳥の語りだしを、さて今日も仕事を始めようという熱意の傍らで耳に通した。

「ボクの初めてを奪ったというのに」

唐突なカミングアウトに驚愕しつつ、そういった行為をした記憶を引きずり出そうとするが、生憎在庫切れである。脳が入荷していないということは、寝ている間にでもしたのだろうか。いや、奪ったと言っているから、等と考察している俺に飛鳥は続いて言葉を流した。

「俗に言う初カレ、というものさ」

俺の心が汚れているわけでは無いだろう。誰だってそう考える。決して、俺の心が汚れているわけでは無い。断じて。

「ボクを手に入れ、キスをし、挙げ句の果てには愛撫までした」

連日の行動を思い出し、あぁ、俺は汚れていたのかと考え直す。困ったな、早苗さんがこっちをみている。絶対許さなえという風に。

「くだらないギャグを考えているところを申し訳ないけれど、ボクと結婚してくれるつもりなのかい?」

二つの驚愕の事実が露呈した。まず、俺の心の中を読まれたということ。次に結婚まで考えていたということ。そして俺がその時の為に結婚指輪を買っておいたと言うことだ。

「キミとなら永遠を共にできると思っている。これが好意なのだろう?」

「俺も飛鳥となら死ねるさ」

やたら重い思いをお互いに放ち。俺は付け加えることにした。

「結婚は考えている。だからその時まではプラトニックな恋をしようとしているのさ」

「プラスチックの間違いじゃないのかい?」

連日の行為から考えると、確かにそちらの方が妥当だ。
ちなみに、何故俺と飛鳥がこんな話をしているのか、という議題に対して解答は一つ。
今度の仕事で飛鳥がウェディングドレスを着るからだ。

「純白のドレスは、女性はみんな憧れるものだよ」

「そういうものか?だったら飛鳥は敢えて憧れないんじゃないのか?」

やれやれ、といったように首を振りやれやれ、と言った飛鳥は、

「ボクは天の邪鬼ではない。心に嘘はつかないさ」

「それに、キミのタキシードの隣は、幸せの権化さ」
と言った。

「似合ってるじゃないか」

純白に身を任せた二宮飛鳥を見て、俺は素直な感想を告げた。

「それだけかい?もっと誉めてくれてかまわないよ?」

「天使かと思ったよハニー」

「キミが褒めることに慣れていない事を、ボクは理解したよ」

そんなことはない。あらぬ誤解をされては困るので、即座に訂正しよう。

「愛した女性の最高に可愛い姿を見て、いつも通りに褒めることができる奴がいるとしたら、そいつはツタンカーメンかハゲさ」

うっかりハゲにまで喧嘩を売ってしまったが、飛鳥は16文字目あたりで顔を赤くしていたから、問題はないだろう。

「飛鳥、ちょっとだけ上を向いてくれ」

初めはきょとんと不思議がっていた二宮飛鳥だったが、すぐに俺の要望を受け入れてくれた。

「そのまま手を組んで……そうそう、後は目を閉じてくれ」

全ての要望を受け入れた二宮飛鳥は、まるで神様に祈りを捧げるような、美しい姿をしていた。

「今度の仕事では、そのポーズで一枚、写真を撮ってもらうといいさ」

俺は神を信じてはいなかった。だが、二宮飛鳥が目の前にいる奇跡が神の仕業だと言うなら、俺は即座に信じるだろう。
靴の音が木霊し、二宮飛鳥は俺が近づいたことに気づいたのだろう。そのままの姿勢で目を開け、俺のことを見上げた。

「P、ボクはどこにもいかないよ。御霊は、キミの側にある」

こいつは、どれだけ俺のことを理解しているのか。いや、そんなことはもう関係無い。俺は、好意を伝えるために、二宮飛鳥の唇に唇を重ねた。
神様。あんたに、この女神はもったいない。
だから、俺が貰うぞ。


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