過去ログ - 姉「私の義妹」妹「私のお姉ちゃん」
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16:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 18:11:14.55 ID:w1noihB1O
私は努めて普通だ。
いや、普通にしているつもりになっているだけなのだろうか。
こんな理不尽な怒られ方をするのも初めてではない。
前の母親にもよく言われていた気がする。
あまり思い出せない、思い出したくないの間違いだろうか。
17:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 18:17:49.30 ID:w1noihB1O
「今日は何パンにしようかなー」
「……焼きそばの気分だな」
「んー、私はコロッケだね」
18:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 18:34:56.77 ID:w1noihB1O
うちの学校の購買は、漫画などであるように争奪戦になったりはしない。
食堂がある上に弁当持ち込みも可能なので当たり前といえば当たり前だが。
まず友人に頼まれたパンを摘み上げると、次に自分のお目当てへと手を伸ばす。
その時、不意に伸ばされた誰かの指先が触れる。
私の焼きそばパン気分を邪魔するとはいい度胸ではないか。
19:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 18:40:37.90 ID:w1noihB1O
「……あ」
「……お」
「あ、えと……ご、ごめんなさいっ」
20:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 18:58:07.16 ID:w1noihB1O
放課後、私は教室に残り何をするでもなく校庭を見ていた。
野球部の声出しやサッカー部のランニング、実に青春と言った光景である。
昔、部活に所属していた頃を思い出す。
とは言っても、私の部活に対する態度
はあんな汗と涙の結晶という感じではなくて。
21:名無しNIPPER[sage]
2015/11/20(金) 19:28:33.21 ID:w1noihB1O
あまり長くない予定
いちゃいちゃ期待してたらごめぬ
22:名無しNIPPER[sage]
2015/11/20(金) 20:29:48.87 ID:w1noihB1O
「こらー、用の無い生徒は早く帰らんかー」
「……何してんだ?お前」
「つまんない反応だなー……てか、それ私のセリフ」
23:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 20:37:38.62 ID:w1noihB1O
部外者だから気楽に言える。
部外者だからこそ、気楽に言ってくれる。
私は帰路に着きながら言われた言葉を反芻していた。
本当は簡単な話なのだろう。
私達は姉妹だ、仲良くしていても不自然ではない。
24:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 20:39:24.90 ID:w1noihB1O
「……お、おかえり。お姉ちゃん」
「ん、ただいま」
「……あ、あの」
25:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 20:46:20.38 ID:w1noihB1O
いつも弁当なのになぜ購買にいたんだとか、大会前だったんだな、とか。
会話の種はたくさん落ちているはずなのに、私はそれらが芽吹く前に全て摘み取っていく。
そのせいで妹は、困ったような顔で私を見ることしか出来ないのだろう。
不器用な私、とでも言えば少しは自己弁護できるだろうか。
私は鏡の前で苦笑した。
26:名無しNIPPER[saga]
2015/11/20(金) 21:07:05.49 ID:w1noihB1O
「たっだいまー」
「おかえり、お父さん」
「あれ、お母さんはまだ帰ってきてないのかい?」
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