過去ログ - 姫「ボクの名は姫! 誇り高き勇者の血を受け継ぐ者!」
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36: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/11/23(月) 18:18:14.34 ID:Lruyaxur0
姫「兄上…」

魔王らが去った後、姫は王の側に駆け寄った。
少しの希望を抱いて、王の胸に耳をあててみた――だけど鳴らぬ鼓動に、希望は簡単に裏切られた。

姫「…」

執事「姫様、近隣の国に亡命しましょう。まずは姫様の安全を確保するのが最優先です」

姫「……」

姫は落ち着いていた。
執事にはその様子が、余りにも衝撃的な出来事に、理解を拒否しているように見えた。

しかし、違った。
姫は打ちのめされるような衝撃を受けながらも、冷静に事態を理解していた。

姫(学者が魔王と繋がっていて、兄上は魔王に殺され、王子は魔王に連れ去られた。笛吹きは――)

笛吹きは魔王子、魔王側の者だった。

姫(…魔王子は――)


笛吹き『…丘のふもとに、泉があるだろう。あそこで待っていてくれないか』

――その言葉は、ボクが襲撃に巻き込まれないようにする為だろう。

魔王子『話を聞くに姫は、大した武力も魔法力もない、年若き女…恐るに足らぬ存在です』

――その言葉は、ボクを魔王に狙わせない為だろう。


魔王子が笛吹きとして過ごした時間は、きっと嘘じゃない。
短い期間で築いた友情も嘘じゃなくて、だから魔王子は自分を庇ってくれた。

わかっている。わかっているけど――

姫「…許さないよ」

執事「え?」

姫「執事…ひとつ頼みたいことがある」




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