過去ログ - 姫「ボクの名は姫! 誇り高き勇者の血を受け継ぐ者!」
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53: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/11/24(火) 18:55:37.07 ID:rXUt6fQL0
やがて音楽は鳴り止み、舞姫も動きを止めた。
踊りが終わると同時、魔王に向かって頭を深々と下げる。

頭の 方から、ゆっくりパチパチと音が鳴った。

魔王「なかなか楽しめた」

魔王はご満悦のようだ。
よし――まずは上手くいった。

魔王「この舞姫が献上品か。なかなか洒落ている」

使者B「はい。魔王様が望めば、いつでもどこでも舞を披露させて頂きます」

魔王「うむ。しかし舞踊の音楽はどうするか…我が国にはそれを奏でられる者はいない。聞き苦しい笛を奏でる王子はいるがな」

使者A「そうおっしゃると思いましたので…楽隊の者を一人、置いて行きましょう。チェロ弾き」

チェロ弾き「はい」

楽隊でチェロを弾いていた、中年の男が前に出た。

側近「魔王様…相手は何か企んでいるかもしれません。人間を受け入れるなど、リスクが伴うものと思われますが」

側近はそう耳打ちしたが、魔王はそれを一笑に付した。

魔王「我があの様な小娘と、しょぼくれた中年に出し抜かれるとでも思うか?」

側近「いえ…しかし」

魔王「それに我は、あの舞を気に入った。飽きるまでは、側に置いてやっても良かろう」

側近「……」

側近は何か言いたげだったが、この魔王は言っても聞かぬと理解してか、何も言わなかった。

舞姫「…」ニコッ

こうして姫は舞姫として、魔王城に置かれることとなった。


半年かけて、死に物狂いで舞踊を身に付けた。
髪を伸ばし、嫌いな化粧を覚え、礼儀作法を叩き直した。

全ては、魔王に取り入る為――




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