過去ログ - 姫「ボクの名は姫! 誇り高き勇者の血を受け継ぐ者!」
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75: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/11/26(木) 19:17:20.05 ID:PbFu1K8w0
魔王子「…勇者の国を偵察していた頃、何度か見たことがある。その程度だ」

流石に本当のことは言わなかった。なら、それはそれで良い。
舞姫は事前にチェロ弾きと打ち合わせていた台詞を言うことにした。

舞姫「私は他国の情報には疎いのですが…確か勇者の国王家の三兄弟様は魔物によりその命を…」

魔王子「少し情報が違っている。末の王子は生きているぞ」

チェロ弾き「魔王子様…王子様について、何かご存知ですか?」

魔王子「知ってるも何も、我が国にいる」

舞姫(…っ!)

魔王子がいとも簡単に情報を漏らしたこと、王子が生きているとわかったこと――舞姫は笑うのを堪える。

チェロ弾き「そうだったのですか。全く見かけないもので、気づきませんでした」

魔王子「そりゃそうだろうな。勇者の国を裏切って、こっちの国に仕えてる奴がいるんだが…」

舞姫(学者のことだな)

魔王子「王子はそいつと共に、地下の部屋にいる。もっとも、俺は地下に行かないから、王子の様子はわからんがな」

舞姫「…」

聞きたいことはもっとあったが、これ以上聞くと怪しまれるだろうか。
とりあえず今は、それを聞けただけ良しとしよう。

舞姫「魔王子様」スッ

魔王子「!!」ビクゥ

手を握ると魔王子は固まった。

舞姫「多くの人々がそうであるように、私も平和を願っております…不幸な人をこれ以上増やさないことをお願い申し上げますわ」

魔王子「あ、あぁ…」

舞姫「ふふ。では魔王子様、これで失礼致します」チュッ

魔王子「!?!!?」ビクゥウゥ

頬への軽いキスで、魔王子は声にならぬ悲鳴をあげていた。
そんな魔王子に気付かないフリをして、舞姫はそこから去って行った。




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