過去ログ - 【ミリマス】桃子「大好き、ずっと好き」
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1:名無しNIPPER
2015/11/23(月) 17:14:55.29 ID:CSrwhlMA0
P「おばあさん、心配してなかったか?」

私を部屋に入れながら、プロデューサーが尋ねてくる。
一応女子高生と言われる年齢になって、出るとこだって出てきたし(環には敵わないけれども)、メイクだって薄くだってしてるのに(ちなみに育はいつもバッチリメイク)、私に対するプロデューサーの態度は、最初に出会った時から変わらない。
私が「お兄ちゃん」って呼んでたからなのだろうか。
兄妹としっかりラインを引かれていてそのラインを超えないように接するようなそんな感じ。

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2:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:16:45.10 ID:CSrwhlMA0
桃子「平気だよ。お仕事って言ってきたし」

P「あんまり心配かけるなよ」

桃子「……分かってるよ」

P「で、なんで家に帰りたくないんだ」

桃子「……お母さん、……帰ってきてるの」
以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:17:10.30 ID:CSrwhlMA0
ほらね。
年頃の女の子に、こうやって言えちゃうんだ。
そのたんびに自分が恋愛対象の外にいるのだと知り、悔しくなる。
悔しさを悟られないように、私はこの家にいるべきもう1人について尋ねる。


4:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:17:39.50 ID:CSrwhlMA0
桃子「プロデューサーこそ、このみさんは?」

P「海外で映画のロケだよ。ここ一ヶ月くらい会ってない」

桃子「寂しい?」

P「そりゃな。結婚したけれど新婚期間なんてものなくてずっと仕事仕事でなぁ。ロクに新婚っぽいこと出来てないし」

桃子「……ふぅーん。そう、なんだ」


5:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:18:11.37 ID:CSrwhlMA0
そう言って笑ったプロデューサーの指にはめてある誓いの輪がきらりと部屋の照明を受けて光る。ここにはいないこのみさんが、私に警告するかのように。


6:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:18:39.95 ID:CSrwhlMA0
P「まぁ、あと一週間したら帰ってくるし。マネージャーも同行してるから大丈夫だとは思うけれどな」


桃子「だね。……ねぇ」


P「うん?」
以下略



7:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:20:33.97 ID:CSrwhlMA0
桃子「私も、……桃子も寂しかったんだよ。『お兄ちゃん』がこのみさんと結婚してから」


P「……お兄ちゃんか。久しぶりにそう呼ばれた気がするな」


以下略



8:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:21:00.26 ID:CSrwhlMA0
自分でもズルいと思う。
このみさんが今家を留守にしてるのは知ってた。お母さんが帰ってきてるのは本当だけれど、それを利用してこうやってる自分が、こう言ったら頷いてくれるお兄ちゃんの気持ちを利用している自分が、たまらなくズルかった。
けれども不思議と止めようとはここに来るまでも、今も思わなかった。



9:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:22:09.31 ID:CSrwhlMA0
桃子「ふふっ、お兄ちゃん。ところでだけどお兄ちゃん、お腹空かない?」

P「おっ、もう8時か。なんかとるか?」

桃子「お兄ちゃん、このみさんが海外行ってからずっとそれでしょ」
以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:22:48.35 ID:CSrwhlMA0
桃子「ふふっ、期待して待っててね。……んっと。どう、お兄ちゃん?桃子、似合ってる?」

P「エプロンまで持ってきてたのか。準備万端だな」

桃子「女の子の嗜みだよ」
以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:23:17.52 ID:CSrwhlMA0
P「……」

桃子「ねぇ、お兄ちゃん?」

P「どうした?」

桃子「……桃子がさ、こんな格好してキッチンに立ってたらさ」

P「……うん」
以下略



12:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:23:46.24 ID:CSrwhlMA0
うん、だから止めようって思わなかったんだ。
分かってる、気づいてる。
こんなことしたって、離れてたってお兄ちゃんの心の中にはきちんとこのみさんがいて、桃子が入り込む隙間なんて無いってことくらい。
お兄ちゃんが桃子の気持ちに気づいていることも、そして桃子を傷つけないように知らないフリをしていることも。
さっきだって桃子が少し兄妹のラインを超えようとしたら、そっとそれを止めた。


13:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:24:21.85 ID:CSrwhlMA0
それが分からないほど子供じゃない。けれどもそれで諦めきれるほど大人でもない。

だからこうやって届かないズルいアピールをしちゃう。

いつか。

いつかちゃんとお兄ちゃんへのこの気持ちをちゃんと終わらせるからさ。
以下略



14:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:25:31.93 ID:CSrwhlMA0
次の日、プロデューサーの家を出て、私は自分の家にまっすぐは帰らなかった。

昨日特に何かあったわけでもない。

普通にご飯食べて、ちょうどやってた桃子のドラマを見て、そのまま別の部屋で寝た。
以下略



15:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:26:14.21 ID:CSrwhlMA0
琴葉「で、また私のとこに来たんだ?」


桃子「うん。……ダメ、だった?」

以下略



16:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:27:29.94 ID:CSrwhlMA0
こういう時、私はこの人のとこを訪れる。
田中琴葉さん。
今や毎クールのドラマで見ない日々は無いと言うくらい売れっ子の女優で、最近では年末にやってる歌合戦の司会のお仕事も決まってる。


17:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:27:57.57 ID:CSrwhlMA0
琴葉「もういいんじゃないの、桃子ちゃん?」

桃子「何が?」

琴葉「プロデューサーのこと」
以下略



18:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:29:08.63 ID:CSrwhlMA0
桃子「琴葉さんはどうなの。プロデューサーのこと、お兄ちゃんのこと諦めきれたの」

琴葉「それが出来てたらね、この貰った指輪を今でも大事にしてたりしないかな」

桃子「琴葉さんだって同じじゃん」
以下略



19:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:29:58.97 ID:CSrwhlMA0
桃子「ん?」

琴葉「ラブシーンとかあるじゃない」

桃子「うん」
以下略



20:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:30:34.44 ID:CSrwhlMA0
桃子「で結果は」

琴葉「桃子ちゃんとおんなじ」

桃子「やっぱり」
以下略



21:名無しNIPPER[sage]
2015/11/23(月) 17:31:05.56 ID:CSrwhlMA0
桃子「でもさ」

琴葉「うん」

桃子「いっぱい恋をするだなんてさ、そんな器用だったらこんな風になってないでしょ」
以下略



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