過去ログ - 志希「ねぇ、助手くーん」晶葉「Pは私の助手なんだぞ!?」
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18: ◆Freege5emM[!red_res]
2015/11/24(火) 01:45:15.82 ID:WpluowQpo





志希から、プロデューサーが倒れたという連絡を受けた晶葉は、自分の学校を仮病で早退した。
教師たちは、普段の晶葉が優等生だったのと、
その時の晶葉の様子が実際におかしかったので、彼女の申告を信用した。

晶葉は、ローファーの底を地べたに叩きつけるような足取りで、
プロデューサーの担ぎ込まれた病院まで進んでいた。アイドルにあるまじき、荒っぽい立ち居振る舞い。
だが今日に限っては、周りに目をひそめられてもお構いなしだった。



「随分早かったね、晶葉ちゃん。まだ学校終わってないんじゃない?」
「志希だって学生だろうが」
「義務教育じゃないから、お仕事っていっとけば晶葉ちゃんより融通利くんだよ」

病院に着く間際に晶葉が志希へ連絡を入れると、病院の前で志希が待っていた。
志希はいつもの仕事着である白衣を脱いでいた――病院では着れないでしょ、とのことだった。

晶葉は詳しく把握していなかったが、志希ソロの仕事に付き添っている最中に、
プロデューサーが体調を崩したとのことだった。

「助手くんったら、いきなりぐったりしちゃってねぇ。最初、間違えて911にかけちゃったよ。
 出先だったから、身内があたししかいなくて、救急車に乗って付き添って、ここまで来たの」

「その……助手の具合は、どうなんだ」
「いろいろ検査されてたけど、終わったあとは点滴一本刺されたっきり。
 成分見たけど、入ってたのは電解質ばっかり。今のとこは深刻じゃないみたい。
 ……ま、今はプロデューサー寝込んでるから、お話はできないけどね」



昼間の救急外来は、晶葉が想像していたより静かで整然とした空気が流れていた。

「助手くんくらいの年頃の男の人が倒れて、付き添いで真っ先にやってくるのが、
 あたしや晶葉ちゃんみたいなうら若き乙女ってのは、ちょっとアヤシイ画、かもね」

志希の軽口に、晶葉は生返事で応えた。
馬耳東風だと察した志希は、プロデューサーのいる処置室まで口を開かなかった。



処置室の扉を開くと、晶葉はまずベッドへ横たわるプロデューサーの顔を見て、
そのあとすぐに点滴に吊るされていたバッグの文字を見た。

「あたしの言ったコト、信じてなかった?」
「志希が言ってたから、一応見ただけだ。だいたい、私は点滴の成分なんぞ知らんからな」
「モルヒネ塩酸塩とか書いてなくて良かったね〜」

部屋はベッドのほかに広げられたパイプ椅子が一脚――志希が座っていたものらしい。
晶葉は部屋の隅から畳まれたパイプ椅子を引き出し、ベッドのそばに広げて置いた。



「しっかし、助手くんがパッタリ倒れちゃうなんて。
 この志希ちゃんともあろうものが、しくじっちゃったかなぁ……」

プロデューサーが寝ているため、話すこともなく黙っていた晶葉は、
わざとらしくも聞き捨てならない志希の独り言に反応した。

「志希、今……なんて言った?」

心拍数が上がり、顔の肌は紅潮した――まるで恋しているように。

「いや、ね。今日も助手くんに、新作を一服あおってもらったのさ。
 もしかしたら、それとスタドリの飲み合わせが悪くて、悪さしたんじゃないかーって。
 予備実験、あたし自身でしかやってなかったからかも――」



二脚のパイプ椅子が派手な音を立てて倒れ、志希の言葉が途切れた。
いつも工具を握っている晶葉の手が、今は志希の白いデコルテに指を食い込ませていた。




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