3: ◆stww/BS79E[sage saga]
2015/11/26(木) 00:07:52.24 ID:l8yd0Tkx0
2、撮影開始
朝の撮影スタートに合わせて衣装や髪型、メイクを準備して……
打ち合わせ通りにスタッフさんの合図で指定されたカメラに向かってポーズをして挨拶をする。
「は〜い!みんなのアイドル!箱船自由(みゆ)です♪」
いつも通りの明るい挨拶、こういうのも好きだけど…私は、もっと、あの人のようなクールなアイドルになりたくて…
あ、セリフが遅れちゃう!
「ぅうん!今日は数年前に忽然と姿を消したスーパーアイドル!高峯のあさんの追跡調査番組です!」
『高峯のあ』……クールでミステリアスでカッコよくて、私の憧れのアイドル!
すっごくカッコよくて…たくさんの伝説を持っていて……私にとっては憧れ以上の存在でもあるの!
だから、この企画を見たときにプロデューサーに内緒で偉い人に何度もお願いして企画に入れてもらえることになったの。
まずは、私の挨拶と高峯のあ様の紹介をするコーナーだ。
「高峯のあ…それは、神秘を具現化したようなミステリアスでクールビューティーなアイドル」
そう、誰にも正体が分からないような神秘的なオーラ…
「今日は、そんな彼女が残した足跡を巡って、少しでも彼女の真相に迫りたいと思います!」
そう意気込んで、ポーズを決めると監督さんから「OK」の声がかかった。
上手く出来ていたみたい…よかった。
私は少し安心して休憩スペースに移動する。
そこには…数日前のリハーサルには居なかった女性スタッフさんが居た。
「あ、あの…お疲れ様です」
「お疲れ様」
何て言うか冷たいような短い返事だけしかもらえなかった。
「もしかしたら、初めまして…ですよね?私は…」
「箱船さんよね。大丈夫知ってるわ」
「そう…ですか。ありがとうございます」
う〜ん…上手く話しが続かない。
何て声を掛けたらいいんだろう…そんな風に思っていたら、今度は…
「箱船さん、少しいい?」
「え?あ、はい」
スタッフさんから話しかけられた。
「その髪型は?」
「え!?この髪型を知らないんですか!?」
私は、高峯のあが引退後にヘアデザインしたって噂になり大流行している少しアシンメトリーにしてあるショートカットについて説明した。
「……そう。噂……ねぇ」
何だろう…少し嫌そうな声になった…何か私、この人……苦手かも。
その後も、あんまり会話は続かなくて……次のロケ場所に移動になった。
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