過去ログ - 【R-18】絵里「サイアミーズ・ワルツ」
1- 20
11: ◆rB0CA7jVXk[sage saga]
2015/11/26(木) 01:28:27.92 ID:HOdWGeeOo

 ふと、海未の顔が私からはがれる。
 もぞもぞとくぐり出て、枕元に顔を並べてみせる。


「ねぇ、絵里」

 目覚めたての穏やかな瞳をまっすぐこちらに向けて、

「やっぱり、こうしてるとしあわせです。絵里、すきです」


 うみ、わたしも。
 あいしてる。
 ってそんな言葉いえなくなるほどの、まっすぐな目で。


 すぐそらして、
 ごまかすように顔をまたうずめて、
 私きょうおかしいですねなんてじゃれついたりして。


 ああ、この子はいつもそう。
 さんざんよじれて、まわりまわって、
 でも最後にはまっすぐの気持ちを向けてくれるの。
 本当はひどく臆病なのに、
 誤解や行き違いに恐れることも忘れて、正面から投げつけてしまう。


 この子に比べたら、私の気持ち、どこまで不純なのだろう。
 心臓の奥が冷えていく。
 水に落とした絵の具みたいに、心が白く濁っていく。

 なのに海未の肌は暖かくて、すがりたくなる。
 この子の愛にくらべて、私は、なんていびつな。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/136.14 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice