1:名無しNIPPER[saga]
2015/11/26(木) 16:49:51.74 ID:+iT0SMHJo
「歌って踊れる声優アイドル目指して、ナナはウサミン星からやってきたんですよぉっ!
キャハっ! メイドさんのお仕事しながら夢に向かって頑張ってまーすっ!」
私は一息にまくしたてて、ポーズをとった。
喫茶店のお客は急に席を立った私へ冷えた目を向けていたけれど、そんな目にはもう慣れっこだった。
前回のオーディションも、前々回のオーディションも、
前々々回だって前々々々回だって私は同じセリフを言って、同じポーズをとった。
審査員を務める誰々さんは毎度毎度違う人だったけれど、
私に見せる表情は毎度毎度同じで、この喫茶店のお客と似ていた。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga]
2015/11/26(木) 16:50:39.15 ID:+iT0SMHJo
さて、肝心のプロデューサーさんはテーブルの向かいで身じろぎ一つせず、
私の自己紹介に苦笑いするでもなく呆れるでもなく「ふむ」と軽く頷いただけだった。
「僕の受け取ったデータには、まったく記録されていませんでした」
3:名無しNIPPER[saga]
2015/11/26(木) 16:51:20.34 ID:+iT0SMHJo
「ここで言う小惑星というのは岩の塊ではなく天体のことなんですけれども、
小惑星センターに正式登録された天体には小惑星番号っていうのがあるんですよ。それで、ご存知だったら……」
「え、えーっと……すみません、ご存知じゃないです」
111Res/57.64 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。