過去ログ - 唯「わたしがオバさんになっても」
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57:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:38:49.91 ID:jnRZeB6L0
窓の外の暗闇には白い雪がひらひらと舞い続けている。
それを肴にしようと、駅前で買った地酒の一升瓶を開けた。
茶櫃の中から湯呑み茶碗を二つ取り出し、均等に注ぎ分ける。とぶとぷ。
58:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:39:55.51 ID:jnRZeB6L0
他に宿泊客はいるのかいないのか。
昼過ぎから降り始めた雪が、音をすべて飲み込んでしまったよう。観光地とは思えない静けさだった。
窓の外には…100万ドルの夜景どころか雪しか見えない。
中華街の豪華な食事の代わりに、お昼はコンビニで肉まんを買って食べた。
59:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:40:53.47 ID:jnRZeB6L0
お酒がもう残りわずかまで減ってきた。
りっちゃんはこういうとき、自分から何も言わない。
60:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:41:34.17 ID:jnRZeB6L0
「一体何がしたいのさっ」
あ、思わず口に出てた。
61:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:43:08.10 ID:jnRZeB6L0
「一体何がしたいのさっ」
「落ち着けよ。目が据わってるぞ」
62:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:43:38.86 ID:jnRZeB6L0
「もういいや。寝よ。明日も早いでしょ」
「待てよ」
「もう待ったよ。もうじゅーーーぶん待ったよ」
63:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:47:18.62 ID:jnRZeB6L0
「ごめん、意味がよくわからないんだけど」
「ああすまん。つまり…転勤、つーかなんつーか。前から声はかけられてたんだけど、いい機会かと思ってな。上海に行くことになった」
64:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:50:41.19 ID:jnRZeB6L0
「この2ヶ月いろいろ考えた」
わたし達のまわりはみんな大人になっていったろ。
65:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:53:29.01 ID:jnRZeB6L0
どうだろう。
りっちゃんはさ。きっと自分で思ってるよりゼッタイ優秀なんだと思うよ。
66:名無しNIPPER[sage saga]
2015/11/26(木) 22:54:27.55 ID:jnRZeB6L0
でも…話を整理すると、これはサヨナラのための旅行ってことになるんだろうか。
高校時代から続いたわたし達の関係が、もうすぐ終わりを迎えようとしているんだろうか。
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