過去ログ - 晶葉「どうにも私は、恋をしているらしい」
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11: ◆zefPw5mKfA[saga]
2015/11/27(金) 00:14:35.07 ID:NjB6h2Aj0

「強い、か」

鈴帆だけでなく頼子にまでそう言われて、再びソファに腰かけた私はその言葉について考えを巡らせる。
心が強い。そう評してくれているのだという事は分かった。
ひた向きさ、実直、目的意識。そうした物について、私には自信がある。
でなければ発明なんて出来ないし、アイドルだってやれていない。
そう。アイドルだってこの思いが無ければやれないんだ。

「私からしたら、鈴帆や頼子の方がよっぽど強い」

鈴帆は言わずもがな、頼子だって常々自分の仕事に関わる事の下調べに余念がないのを知っている。

「私を応援してくれると言ってくれた事も、私にどんな危険があるのかを教えてくれた事も。私は知っている」

その二人が私からすればとても強い。
私は私について来れる人でなければ、そう思わぬ間にも置いていってしまうような人間だった。
気が付けば、人が私から離れてしまっていた事なんて、どれだけあっただろうか。
皆の為に笑顔を届ける、舞台を成功に導く為に最善を尽くす。そこには必ず自分ではない誰かがいる。
それをやりきる二人の方が、よっぽど私なんかよりも強く、輝いて見える。

「そんな二人が、私みたいな奴に付き合ってくれるだけでも、感謝してもしきれないんだ」

「そんなん、ウチと晶葉しゃんの、そして頼子しゃんと晶葉しゃんとの仲ばい。気にする事じゃなか!」

「それに、私達はそれぞれ自分の意志で、こうして出会った晶葉さんという方に寄り添っているんですよ」

それに、ともう一度頼子が続ける。

「私の言った強さは、そこだけじゃないですから…」

その言葉の後に続いた彼女の笑みは、先程と違って悪戯な、偶に見せる妖しげな、面白がる笑みだった。
どうしてだか、隣の鈴帆も笑っていた。



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