3:名無しNIPPER
2015/11/30(月) 22:54:10.86 ID:toMlCW8y0
 僕はその日のことを覚えていない。覚えていなければ書く事ができない、なんてこともなく、僕は忘れてしまったその日の出来事をその相手は鮮明に覚えているようだった。 
 その相手というのはそれはもうとても可愛い少女ということしか覚えていないのだけれど、その少女は保育園の入口の前でないていた僕に対してこういったそうだ。 
  
 「そんなところで泣いていないで一緒に行こ」 
  
 何回も繰り返すが、僕はそんなことを言われた覚えも、記憶も残ってない。けれど連絡帳のシールの増え方を見る限り、その少女が言ったようにそのような出来事もあったような気がしてくるのは何故であろうか。 
 そうして僕は保育園に無事、泣くことなく行くことができるようになりました。終わり。などといった話であるのならどこにでも存在しそうではないか。 
 しかし、これはまだ物語の序章もいいところである。 
  
 そんな可憐な少女に出会って保育園の中でも一緒にいることが多くなった僕たちはこれから何十年にわたって一緒に過ごすことになるとはこの時の僕も、その少女も決して思っていなかったことだろう。 
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