過去ログ - やすな「やらないとこっちから噛むぞおおおお」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/12/01(火) 18:37:27.13 ID:T0P1NCyF0
私は再びやすなに肩を貸し、ビルの中へと足を踏み入れる。
すぐに逃げられる様に、侵入口でもある裏口の鍵は掛けないでおく。外から侵入するには扉を引く必要がある。もし奴等に扉を引くといった知能が備わっていたとしたら、もはや鍵を掛けようが掛けまいがおしまいだ。
とにかくやすなを休ませたかった。無理をしてまでも浮かべる笑顔を、これ以上見ていられる自信がない。
休める部屋を探しながら、私達は慎重に進んでいった。
本来なら二階や三階の部屋に入り少しでも外の危険から距離を取るのが理想だが、エレベーターのないこのビルでは、今のやすなを支えながら階段を上る必要があり、とても可能だとは思えない。
一階の部屋でなるべくビル中央の部屋を探すべく歩を進める。奴等の襲撃時、柔軟に逃走ルートを確保する為に。
おそらく最も中心にあるだろう部屋の扉に手を掛ける。左右どちらからも出入り口へと繋がる廊下があり、幸い鍵も掛かっていなかった。
やすなを再び廊下で待たせ、私独りで部屋に侵入する。素早く照明のスイッチを押し部屋を見渡すが、人影はなく、金属の棚や段ボールが乱雑に山積まれていた。資材倉庫とでも呼ぶのが相応しいだろうか。
二人分のスペースを確保する為に、その煩雑とした物々をどけていく。段ボールを蹴飛ばしていたつもりが途中、棚まで蹴り倒してしまったものだから、耳障りな金属音が部屋を駆け巡った。おまけに足も悲鳴をあげた。
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