過去ログ - モバP「プロデューサーって大変なんだからな?」
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名無しNIPPER
[sage]
2015/12/06(日) 02:32:16.33 ID:fysqkRZNO
自分の裸の写真を見つめながら、これもナルシストなのかなと佐伯真夜は思った。
鳥の鳴き声に顔を向ける。二階の窓から見える空は暮れかけており、部屋の中も薄暗い。張り出した山の木の枝の間から、遠くに鳥が飛んでいるのが見えた。
急がないと暗くなっちゃう。真夜は鞄からピンの入ったケースを取り出して、写真と一緒に壁際に向かった。
住人が居なくなって久しい、廃屋と呼んで差し支えない古い洋館。元は白かったらしい壁も煤けたように変色し、所々漆喰が剥がれ落ち黄色い土壁が覗いていた。
真夜は壁の前に立つと、十四歳には不似合いの淫らな笑みを浮かべた。壁の中ほどに止められた何十枚もの写真。中学のブレザー姿、下着姿、中には全裸で卑猥なポーズをとった物も、すべて真夜本人の写真だった。
ホコリまみれのソファーの背もたれに靴で乗って、上に空いたスペースに写真をピンで留めていく。
「あは……やらしい」
ショーツを太ももまで下ろしてスカートをたくし上げた写真に、目をとろんと溶かして頬擦りする。写真の背景は、まさに今貼られている壁だった。
ソファーから降りて壁一面を眺める。最初の頃の写真は大人しいものだった。人気のない山のふもととはいえ、自分の家以外で、それも半ば野外とも感じられる廃屋の一室で肌を晒すのは倒れそうな程の興奮だった。
なのに、自分はなんていやらしい人間なんだろう――。
さらなる刺激を求める自分の奥底を感じつつ、いつものようにテーブルの上の鞄からデジカメを取り出そうとした時、真夜はこの部屋に居るのが自分だけではない事に気付いた。
黄色い瞳が窓の外の光を反射して光る。影絵のように黒い猫は、鳴きもせずに部屋の前を通過して階段を降りていった。
立ち尽くして見送った真夜の心臓が、思い出したかのように高鳴り始める。胸元を押さえてため息をつく。だが胸の動悸は治まらず、むしろ高まっていった。
――いいこと考えた。真夜の薄くリップを塗った唇が笑みの形に開く。今日はあの猫を探してみよう、一階を回って、もしかしたら外の庭に行くことになるかもしれない。
一気にちぎり取りたい衝動を抑えながら、真夜は制服のボタンを外し始めた。
「真夜ちゃーんっ」
放課後の教室。教科書を鞄に移し換えていた真夜の机に、松串ゆかりがへばりついてくる。
真夜はゆかりの身体の下から手を引っ張り出すと、いつものようにボブカットの頭を撫でてやった。
「どうしたの、なにか怖い事でもあったのかなー?」
「うー。豊くん達がゆかりの事いじめるんだよ、怖いとこに無理やり連れてくんだよぉ」
「違うって、俺達が行くって話してただけだって」
真夜の視線を向けられて、離れた席の三人の一人が両手を顔の前で振った。
「変電所のある山ん中で、隆志がすごい怪しい洋館見つけたっていうからさ。三人で見に行こうって話してたんだよ」
「そんなトコわざわざ行くなんておかしいよ、真夜ちゃんもそう思うよね? ――真夜ちゃん?」
緊張が顔に出ないよう気をつけながら、真夜は立ち上がった。椅子がギギギと耳障りな音を立てて後ろに下がる。
「……面白そうじゃない。詳しく聞かせて欲しいな」
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