過去ログ - 藤原肇「凛然と踏み出す」渋谷凛「肇の一歩」 -SS速報VIP

過去ログ - 藤原肇「凛然と踏み出す」渋谷凛「肇の一歩」

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1: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:12:09.87 ID:4RDjbNDE0

モバマスss

書き溜めあり

マイペースに投下していきます

SSWiki : ss.vip2ch.com

2: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:14:41.67 ID:4RDjbNDE0
「緊張してる？」
前を向いたまま私がそう問いかけると
「はい、とっても！でも…それ以上に頑張りたいって思えるんです！」
なんて返ってきて
やっとここまで来れたんだなって実感する

3: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:16:26.19 ID:4RDjbNDE0

言い忘れてました
地の分あり
※で視点変わります
肇ちゃんssですが大丈夫な奴です

4: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:17:12.41 ID:4RDjbNDE0
※
その子が突然やって来たのは私が事務所に入ってから二ヶ月位ぐらい経ってきた頃だったと思います
プロデューサさんの少し後ろで真っ直ぐ、強い瞳で私の方を見ていたのを覚えています
プロデューサーさんに促され、少しぶっきらぼうに彼女は挨拶をし始めましたので
私も挨拶を返します

5: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:17:57.72 ID:4RDjbNDE0
※
私が彼女に初めて会ったのはプロデューサーに連れられて入った事務所の中で、確か一人で湯のみを洗っていて…ふんわりと優しく包み込むような、少しタレ下がった目で私を見てた
プロデューサーがちらっと私の方を見て挨拶するよう、急に背中を押してきたから慌てていて少し変な感じになってたと思う
言葉が思いつかなくて最低限の挨拶
「え…と、渋谷凛です。よろしく」

6: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:19:37.01 ID:4RDjbNDE0
※
私と凛ちゃんは入った時期も歳も近いお陰で色々な話をしました
実家が花屋だってこと
だけど花言葉はあまり覚えてないこと
初めてプロデューサーさんに会ったとき不審者と間違えて通報しそうになったこと

7: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:20:29.16 ID:4RDjbNDE0
※
そうだね、私と肇が話したことは沢山あったと思う
代々続いている実家の陶芸を継がずに半ば飛び出す形で憧れていたアイドルになったこと
渋谷の交差点を初めて見てお祭りがあるのかとワクワクしたこと
趣味の陶芸と釣りについておじいさんみたいと言われて少し苦い顔をしていたこと

8: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:23:35.88 ID:4RDjbNDE0
※
最近は事務所が活気づいたのもあってレッスン室が空いていることが少なくなってきました
なのでレッスン室が使えないときはこうやって屋上に来て台本を読んだり発声練習をしたりしています
毎日違う表情を見せてくれる空を眺めながらアイドルとしてのこの先の事をイメージしてみたりします

9:名無しNIPPER[sage]
2015/12/04(金) 23:26:16.56 ID:CZ7Zp7Dho
改行しようぜ

10: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:26:24.03 ID:4RDjbNDE0
※
カサカサとアスファルトに散らばっている枯れ葉を踏みながら事務所を目指す
秋から冬へ変わりはじめる中でぼんやりと空を見上げると事務所の屋上で人影が見えた
あれは…肇…なのかな？
今日は忙しいけどまた明日もあそこに居るなら話をしに行ってみよう

11: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:27:11.24 ID:4RDjbNDE0
>>9

12: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:28:18.93 ID:4RDjbNDE0
>>9
テンパってるテンパってる
申し訳ありません次から直します

13: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:30:47.75 ID:4RDjbNDE0
※
今日も屋上で台本を読んでいましたが誰も居ない開放感から休憩を交えてnever say neverを歌ってみます

雲一つない綺麗な空の下で歌う歌はとても気持ちが良く

14: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:31:52.35 ID:4RDjbNDE0
「いえ、私はお芝居のお仕事がありますから…」

お芝居のお仕事も勿論楽しいのですが、やっぱり私が憧れていたアイドル像は煌めくステージの上で歌って踊るアイドルでした

でもただでさえ私は家族にわがままを言ってアイドルにさせてもらった身ですから…これ以上のわがままなんて言ってはいけないような気がしまして

15: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:32:41.84 ID:4RDjbNDE0
※
「ならいいんだけど…肇がアイドルをやる理由って視野を広げたかったからだよね？」

肇が私に嘘をついてる

16: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:33:18.60 ID:4RDjbNDE0
「ごめんなさい…私、もうすぐ次の仕事があるので…」

言葉を発する暇もなく肇はドアの方へ走って行ってしまった

バタンとドアが閉まる音が私を拒絶する音に思えて私はしばらくその場から動くことが出来なかった

17: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:34:14.74 ID:4RDjbNDE0
※

凛ちゃんに嘘をついてしまったこと、言葉を返せず逃げ出してしまったことの二つの後悔が階段を降りている間もずっと胸の辺りでモヤモヤしていて…

でもどうしたら良いのか分からずにそのまま仕事の現場へ向かいます

18: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:36:17.01 ID:4RDjbNDE0
※
どうやって移動したのかもあんまり覚えてなくて気がついたら事務所の敷地にあるベンチに腰掛けていた

肇が歌を歌いたがっているのは分かってる

19: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:37:23.93 ID:4RDjbNDE0
未央は私の隣へ腰掛けて

「怖い顔してたよ。悩み事あるの？」

私が頷きながらさっきのことを簡単に説明すると

20: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:38:36.18 ID:4RDjbNDE0
私の動揺を察したのかチッチッチと指を左右に振りながら

「私がしまむーとしぶりんの事しか知らないと思ったなら大間違いだよ！同じ事務所の仲間だもん。ちゃんと見てるよ」

そう言って立ち上がって私の前に立ち、拳を突き出し

21: ◆ULuwYLs/ds[saga]
2015/12/04(金) 23:39:42.99 ID:4RDjbNDE0
※

お仕事もしっかり出来ましたので公園にあるベンチに腰掛け一息ついていると

私の名前を呼ぶ声がして振り向くと卯月さんが手を振りながらこっちへ向かってきます

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