過去ログ - 水本ゆかり「背中を押してください。それだけで十分です――」
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2:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:37:58.53 ID:FYmHJbMQ0
<――アイドルに、なりませんか>
<――はい。私に務まるのでしたら……>

――――――――――――――――――



3:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:38:28.22 ID:FYmHJbMQ0
アイドル・水本ゆかり。
新しいことに挑戦します。

というのも……最近アイドルであることと、フルート奏者をどう両立するべきか悩んでいるのです。
かわいいアイドルでいられることが嬉しくて、美しい旋律を紡ぐ奏者であることが誇らしくて、どうすればいいのか……。
以下略



4:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:38:55.95 ID:FYmHJbMQ0
でも、やり場のない想いをどう昇華することも出来ずに、ただ無性に動きたくなったのです。
偽りの無い自分を探して、とりあえず今日の予定を確認します。



5:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:39:26.16 ID:FYmHJbMQ0
……レッスン以外は、なにもありませんでした。

ライブも近いので、ダンスレッスンで調整を行うくらいです。
まだまだステップは苦手です。
腹筋を引き絞って内臓を締めて押し上げると動きが良くなるんですが……それはどうでもいいことでした。
以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:39:59.94 ID:FYmHJbMQ0
アイドル・水本ゆかり。
新しいことに挑戦します。

まだ、朝の9時ですが……事務所は基本的に早く開きますので、ちらほらアイドルの皆様も思い思いの事をされています。
そうした光景は見慣れたものではありますけれど、素敵な笑顔がそこかしこに散りばめられていて、まるで宝石箱のようです。


7:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:40:33.83 ID:FYmHJbMQ0
何か新しいことを……と考えていましたが、行く宛ての無い身。

無い知恵を絞ってみても、やはり悩みは尽きません。
空回りする思考のまま漂っていると、少し開けた場所に出ました。

以下略



8:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:41:06.31 ID:FYmHJbMQ0
――今日は解放の日では無い筈ですが……。

不思議に思いながらも、足を止めず、自分とは道が違いますが同じ芸術を嗜む人の感性に触れることはいい経験になります。
色とりどりのアートが並んでいますが――ふと。

以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:41:34.15 ID:FYmHJbMQ0
赤とオレンジのペンキらしきものを紙一面に振りまいた下地に、ちょっとずつですが桜模様と藍色の小鳥が描かれています。

何だか見ているだけで燃え盛る情熱といじらしさを感じさせます。



10:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:42:02.50 ID:FYmHJbMQ0
「こちらは……」
「おっ。水本さんじゃないっすか。アタシに何か?」
「……あら。おはようございます、沙紀さん。こちら、沙紀さんの作品ですか?拝見しております」
「おや、それは失礼したっすかね。いやー、水本さんがグラフィティ・アートに興味をもってくれるなんて嬉しいっす」
「水本さんではなく、ゆかりでいいのですよ」
以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 10:42:41.58 ID:FYmHJbMQ0
そういって手元に掲げていたペンキを降ろしたのは、吉岡沙紀さん――

ボーイッシュな外見と口調が特徴的ですが、芸術家らしい観察力を持った方です。
それに、絵にも現れている慎ましさや淑やかさが、アイドルとしての才能を輝かせています。

以下略



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