過去ログ - 動物達は今日もナく【オリジナルSS集】
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56: ◆F0XtKsib.M[sage saga]
2016/02/07(日) 11:29:12.31 ID:FdAFhnmT0
最終話 カラス「人間に嫌われてるようだが......」 (テーマ:人間)


人間に危害を加えられた動物は皆、人間を嫌っている。つまり大半の動物に人間は嫌われている。
住む場所を奪われた者、親の命を奪われた者、子の命を奪われた者、意味もなく殺められた者。
人間への憎悪は深い。
動物界は、毎日が生存競争である。故に日々を精一杯生きている。明日捕食されても悔いの無いように。
これを人間が踏みにじる。私は別に人間に捕食されるのことに怒りを覚えているのではない。
生態系云々の話もしていない。では私が何に怒りを覚えているのか。
ついさっき私は毎日が生存競争と言った。そう、これは競争なのである。お互いに命を賭けた戦い。
人間はその戦いを荒らす。否応無しに。
動物界で言えば人間の行為は許されるのかもしれない。弱い者が死に、強い者が生き残るだけなのだから。
それ故人間を卑怯だとも言えない。これは矛盾した行き場のない怒りである。
私達カラスが人間に嫌われている事などどうでもいい。人間が私達の行為で不愉快になってくれるのなら
むしろ、してやったりである。

人間は愚かだ。動物達は口を揃えて「人知の自分殺し」と言う。人間に早く自滅して欲しいと思っている。
人間より長生きする動物は少ない。動物達は皆、自滅を考えず常に一生懸命生きている。
私はもう先が短い。死ぬ前に何か人間に効く仕返しは出来ないものだろうか。
ちょうど民家から人間が出てきた。


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