過去ログ - 天羽まどか「ハローニューワールド」
↓ 1- 覧 板 20
1:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 19:38:24.94 ID:qQdkEKkN0
※アイカツ! SSです
※時系列はLuminasジャパンツアー直前
※地の文アリ
※書き溜めアリ
※次レスより本編スタートします! フフッヒ
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 19:41:06.49 ID:qQdkEKkN0
本当は、ストレートなんかじゃ全然ないんです。
人との付き合い方のわからない、不器用な私の防衛手段。普段からそうやってズバズバと言うような素振りを見せておけば、いざという時に本音を隠せる。気取られないでいられる。そんな、歪んだ考え方。
人って、怖いじゃないですか。私みたいな可愛い女の子でも、こんな馬鹿みたいなこと考えているんです。だったら、他人なんて何を考えているのかわかったものじゃありません。ストレートなんかじゃない。私はとっくに歪曲しているんです。
3:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 19:45:32.64 ID:qQdkEKkN0
『まどかちゃん』
けれど、なんだかあの人に言われると、少しだけ本当に素直になりたくなってしまう自分がいました。
『とってもストレート!』
4:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 19:48:47.35 ID:qQdkEKkN0
まどか「あかり先輩」
無意識の内に、声が出る。名前を呼んでしまった。
馬鹿だなあ、ほんと。今更気付いたって、どうしようもないのに。手遅れなのに。だって先輩は、もう――
5:名無しNIPPER[sage]
2015/12/05(土) 19:50:34.55 ID:3TpJ+Cpl0
!?!??!?!?!??!?
6:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 19:52:27.11 ID:qQdkEKkN0
凛「まどか、何か言った?」
ハッとして隣を見る。凛が一緒なのを忘れていた。
私らしくない。それだけ、やっぱり動揺していたということなのでしょうか。二人が付き合っていると聞かされたことに。
7:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 19:54:17.77 ID:qQdkEKkN0
まどか「ううん、なんでもない。大丈夫ですよ」
そう言って、誤魔化す。そうするしかない。言ったって、どうしようもならないんですから。
凛「でもまどか……泣いてる」
8:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 19:57:06.35 ID:qQdkEKkN0
まどか「ぅ、ぐすっ……せんぱい、せんぱあい」
何も考えられない。
凛「まどか!」
9:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 19:59:17.27 ID:qQdkEKkN0
凛は、そっと私をベッドに座らせて、抱きしめてくれました。何も訊かず、そのまま頭を撫でてくれている。その優しさすら、今は涙に変わってしまう。ごめんなさい。でも、何故泣いてしまうのか、私にもわからないんです。
凛「大丈夫、大丈夫だよ」
優しい声とともに、滑らかな指が私の髪を梳く。くすぐったくて、少し気持ちいい。
10:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:01:29.98 ID:qQdkEKkN0
まどか「ごめんなさい。迷惑かけて」
凛は、静かに首を振る。
凛「全然そんなことないよ」
11:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:04:35.29 ID:qQdkEKkN0
まどか「私、あかり先輩のことが好きです」
単純に、話したかっただけなのかもしれません。私一人の胸に秘めておくことが出来ないほどに肥大化した、この思いを。共有して共感してくれる誰かが、ほしかっただけなのかもしれません。
まどか「初めて会ったときから、なにか感じるものがありました」
12:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:06:59.28 ID:qQdkEKkN0
まどか「でも、そんなのすぐにどうでもよくなりました」
あかり先輩は、私を導いてくれた。本当は臆病で、何かしなくちゃと思っているのに何も出来なかった私の背中を、押してくれた。きっと先輩がいなければ、私は今でもプレミアムドレスを手に入れられていなかったでしょう。自信をもってお祖母ちゃんのドレスに相応しいアイドルになれたとは、言えなかったでしょう。
まどか「あかり先輩は、新しい世界を見せてくれました」
13:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:08:28.20 ID:qQdkEKkN0
まどか「そんなすごい先輩が、なんで私とユニットを組むってすぐに決めてくれたんだろうって不思議でした」
あかり先輩は言ってくれました。私と一緒ならきっと世界が新しく見えると。実際に、そうでした。
あかり先輩もそうなんだろうって、確信していました。
14:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:11:44.79 ID:qQdkEKkN0
凛「まどか……辛かったんだね。ごめんね、気付かなくって」
気付けば、凛の瞳も潤んでいました。
まどか「もう、なんで凛が泣きそうなんですか」
15:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:13:02.99 ID:qQdkEKkN0
『ねえ、今日からまどかって呼んでもいい?』
そういう子に、苦手意識があるんです。私とは違って、きちんとストレートだから。私の醜さを、実感してしまうから。
『だから私は、踊り、そして歌って、皆をドキドキさせるアイドルになりたい!』
16:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:16:15.96 ID:qQdkEKkN0
凛「でもまどか……これからどうするの?」
どう、するか。
そうでした。そんなことも考えられないほど、私は混乱していたんですね。
17:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:18:35.19 ID:qQdkEKkN0
凛「まどか?」
私は、どうしたいんだろう。どうすれば、いいんだろう。
あかり先輩。大空、あかり先輩。背中を押してくれた、すごい先輩。私を新しい世界に連れて行ってくれた、大好きな先輩。
18:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:20:27.37 ID:qQdkEKkN0
まどか「やっぱり最高ですね!」
19:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:21:52.66 ID:qQdkEKkN0
まどか「あかり先輩と一緒にいたい。そばにいたい。許されるのなら、これからもずっと」
凛「私は、応援出来ないよ?」
真剣な目で、凛は見つめてくれます。拒絶は冷たいのでも無慈悲なのでもなく、おそらく板挟みだからでしょう。大好きなスミレ先輩と私を天秤にかけることが出来ないから。
20:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:27:03.25 ID:qQdkEKkN0
翌日、私は朝4時半に目覚めた。うん、ちゃんと起きられた。偉いぞ私。
21:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/05(土) 20:29:18.72 ID:qQdkEKkN0
まどか「あかり先輩!」
あかり「あれ、まどかちゃん!? おはよう、どうしたのこんな早い時間に」
先輩の部屋の前。どうやら時間ぴったりだったみたいです。
40Res/23.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。