過去ログ - コードギアス LOST COLORS 【二日目】
1- 20
4: ◆QH3tH0UkImyM[saga]
2015/12/12(土) 20:48:26.23 ID:6XrmC7gDO
午後の授業が終わり、ライは学園を出て街を歩いていた。空は曇りで、夕日は見えない。雨は降っていないのに、どうしてか空気が湿っているように感じられた。


そういえば、梅雨入りが近いとニュースで言っていたのを思い出す。


無数の人間が蠢くスクランブル交差点を抜け、特に行く宛も無いまま歩き続けた。雑踏と喧騒は嫌いだったが、今はそれほど気にならなかった。


考えるのはギアスの事だ。自身に宿る王の力。他者を操る、絶対遵守の命令権。


『殺し合え』と叫んだら、この付近は戦場さながらの地獄絵図となるだろう。街を歩いている数百という人間が一斉に狂い、命を奪い合う。


そんなことさえ容易く出来てしまうのだ。今の自分は。


「…………」


ライはなんとなしに自身の喉を触った。それで何かが変わるわけでもない。無意識の行動だった。


それから人混みを恐れるように歩いて、いつの間にか寂れた公園までたどり着いていた。


人の気配はほとんど無い。この時間帯、租界で一人になれる場所は極めて少なかった。自室なら可能かもしれないが、寝る時以外はなるべく立ち寄らないようにしている。


結局、行く場所などなくてライはベンチに座った。一時間以上歩いても肉体的な疲れは窺えない。ただ、精神的な疲労はあった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
254Res/188.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice