過去ログ - 二宮飛鳥「死にいたる病あるいは乾燥させた葉を煮出し雌牛の分泌する液体を混ぜた物」
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6:名無しNIPPER[saga]
2015/12/07(月) 13:06:08.99 ID:n95sZXJf0



 喉が渇いた。

 今も悔やむ。

 泥の中には全てがあった。なぜ見抜けなかったのか。
なぜもっと深く考えようとしなかったのか。


 アスカにとってボクの存在は、アスカに害をなすかなさないかでしかなかった。
孤独でいる為の作り笑いの背後から、ボクをじっと観察していた。


 それでも、ボクは思う。アスカはボクを信じたかったのだろう。
共犯者が欲しかったのだろう。アスカはアスカ以外を助けない。

 ボクへ知っていて欲しかったのか? 本当のアスカを葬り去る場所が欲しかったのか。
あれはボクがさびしさを知る為の自由帳。泥の中にいるボクはさびしさを理解できない。


「ボクは此処にいて、全て世は事もなし」

 ゆっくりと体を揺する。大丈夫、孤独こそが本当の寒さだから。

 体は泥で出来ている。



 それでもアスカは自由帳へと書き記したのだ。アスカの行いを、アスカの罪を。
アスカの祈りをボクへとさらけ出すコトで、ボクへさびしさを伝えている。
泥の中にいるボクが孤独であるというコトに気付けないからだ。


 アスカはアスカが孤独であるコトを自覚し、そしてさびしさを身に纏った。
けれどアスカには解らない、そのさびしさを消す方法が解らない。
その姿は孤独でも、動きを止めるコトはない。



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