過去ログ - 二宮飛鳥「死にいたる病あるいは乾燥させた葉を煮出し雌牛の分泌する液体を混ぜた物」
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9:名無しNIPPER[saga]
2015/12/07(月) 13:07:44.15 ID:n95sZXJf0

 一度目は喜びだった。
 二度目は驚愕。
 三度目は恐怖、四度目は困惑。


「……あれはアスカだ」

 五度目の疑問は泥を押し固め、アスカを泥土へ横たえる。



 ここは泥の中だ。
泥土の全てにアスカが並べられている。
もう死んでいて動かないアスカ。ただの泥の塊。

 なのにその死に顔は誰もが満足げな笑みを浮かべていた。


 青いエクステを身に付けたアスカ。
 紫のエクステを身に付けたアスカ。

 細部は違えど、これは全てアスカであったはずのものだ。
見たコトがない、だけど最初から知っているアスカが泥の中へと沈んでくる。


 ふと思い立ち、アスカを積み上げる事にした。
全ては泥の中へと沈んでくる。ならば泥の中にも外の概念があるはずだ。
泥の塊を組み合わせ、泥の中の外へと届く塔を建設する。


「命の温度を知るいい機会、か」

 もはや逃れる術はなく、詫びるべき咎もない。
大丈夫、もう死んでいて動かないアスカはどこにでも―――幾らでも存在する。

「凍える前に……抜け出さないと」

 手を振る。体は十分に冷えている。




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