30: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:34:24.68 ID:KPPGBGHd0
P「さむっ、いやさむっ!」
あくる日も俺は談話室に駆け込んだ。
と言っても別に徹夜明けの飯とかではなく、ただの営業帰りなのだが。
31: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:35:06.33 ID:KPPGBGHd0
時刻は夕方5時。 外はうっすら暗くなってきている。
そろそろレッスンを終えたアイドル達が帰って来るんじゃないかと思って、一応何個か中華まんを買ってきてはいるのだが。
忍「ただいまー…あ、Pさんいたんだ。お疲れ様。」
32: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:36:09.83 ID:KPPGBGHd0
P「おう、忍か、お疲れ様。中華まん買ってあるから、手洗って来るといいぞ」
忍「うわ、Pさん太っ腹だねえ…本当に最近出てきてない、お腹」
P「余計なお世話だよ…ったく、いつまで経っても口が減らないなお前は…」
33: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:36:45.42 ID:KPPGBGHd0
P「…そうか…あれからもう一年経つんだな…」
みかんをつまみつつ、物思いにふけっていると、
忍「お待たせお待たせ…あー…さむさむさむっ…」
34: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:37:18.44 ID:KPPGBGHd0
忍「Pさん、そういうのを偏見って言うらしいよ?知ってた?」
P「そいつは初耳だ、どこ情報ですかい」
忍「なんか人権啓発とかテレビでやってた」
35: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:38:01.70 ID:KPPGBGHd0
謎のやりとりがしばらく続き、忍はカレーまんを、俺はみかんをぱくついて。
ひと段落したところでふいに忍が、
忍「ねえ、Pさんから見てアタシってさ、どうなのかな」
36: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:38:40.79 ID:KPPGBGHd0
P「…どう、ってのは…」
忍「あー、違う違う、そういう意味じゃなくて。 もちろんそっちもちょっと興味あるけどさ」
…少しだけ、忍の顔が赤かったような気がした。
37: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:39:37.38 ID:KPPGBGHd0
再び真面目な顔になって聞いてきた。
そしてそれは彼女にとって、深いところから来ている悩みだということも、俺は知っていた。
P「…ちょうどそのことを考えてたんだよ、さっき。 あれからもう一年過ぎたんだなあって」
38: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:40:22.43 ID:KPPGBGHd0
忍「アイドルは楽しいよ。 そのために上京してきたんだし…ホント、そこについては後悔なんて絶対にあり得ない。」
P「そっか」
忍「事務所のみんなも、良くしてくれてるし。 プロデューサーは…ちょっと変な人だけど。」
39: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:40:51.70 ID:KPPGBGHd0
忍「…ふふっ、アタシはほら、アイドルだから」
P「うわー、なんかズルいぞそれ」
忍「プロデューサーがアイドルにしたんじゃない。 だから、特権だよ、特権」
40: ◆tPHkm/jYV.[sage]
2015/12/09(水) 00:41:54.15 ID:KPPGBGHd0
P「はあ…お前がうちに来たばかりの頃は…もっと」
忍「おしとやかだったりしたっけ?」
P「してないな、うん。 お前はお前のままだ」
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