204: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/01/11(月) 00:09:09.52 ID:oFvk9jBd0
「アンタは見ないのか?」
突然、隣から声を掛けられる
驚いて顔を上げると、欄干から身を乗り出したままこちらへ首を向ける仙田の姿があった
先ほどのフラッシュバックもあり、とっさに返答を見失ってしまう
「どうしたんだよ? そんな顔して」
そんな姿を不審に思ったのか、仙田にしては珍しく心配そうな声を掛けてきた
「いや……何でもない」
「ちょっと考え事をしていただけだ」
しかし、それに無難な理由を付けて何でもない事のように取り繕う
思いがけず心の中を見透かされたような気がしてドキリとしたが、それを悟られる訳には行かない
室林大佐の話にも合った通り、簡単に自分の過去を知られる訳には行かないのだ
「良いのか? そんなんで」
「あんなに近くにあの娘たちが居るのに」
「こんなチャンス、滅多にないんだぞ」
味気ない返答に興味を失くしたのか、仙田は別の話題を振ってくる
何時もなら一緒に居る一之瀬が相手を引き受けてくれるのだが、生憎と今日は居ない
配置の都合で自分たちとは別の艦になってしまっていた
同じく、砲撃主の日下部も旗艦の砲塔付きとなったため、この船には乗船していない
今日ばかりは、こいつの話し相手は自分が引き受けるしかなさそうだ
666Res/619.58 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。