210: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/01/11(月) 00:49:27.10 ID:oFvk9jBd0
「それに、ウチはただの海上警備隊です」
「戦闘行動を取ることも無いので、無用な心配ですよ」
その問いかけに対して、抑揚のない野田の返事が返ってくる
淡々とした答えではあるが、節々に落胆ような印象も受ける
特に最後の言葉は、ある種の諦観にも近いものを感じだ
日下部の話していた通り、野田が今の防衛隊の実状に満足できていないのは明らかなようだ
「それで、どうしますか?」
「行かないのであれば、自分の方から伝えておきますが」
「そうだな……」
艦橋からの誘いに頭を悩ませる
士官としてどういう顔をして艦橋に居ればいいのか、あいつらと付き合って気力が持つのか、などと色々なことが頭をよぎる
だが、そんなことを考えるのは形式だけであって、腹の中では決まっていた
折角の艦橋に行ける機会なのだ、断る試しはない
ただ……その決断を下す前に、もう少しだけ目の前の男の出方を見たかっただけだった
「よし、行こう」
「折角の誘いだ、断る理由もないからな」
十数秒ほど沈黙し、全く顔色を変えない野田の反応を諦め、艦橋へ行くことを伝える
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