過去ログ - 軍人たちの艦隊コレクション
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252: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/01/20(水) 23:58:02.40 ID:h2Iwi95t0

 しかし、船は軽く揺れただけで、それ以上のことは何も起こらない

 最後に見た敵との距離からしても、直撃を受ければ自分たちの命はまず助からない距離のはずだ

 だが、砲撃音の後も意識は続いており、傷ついた左肩にはじんじんとした痛みがへばり付いている

 目を開いて辺りを確認するが、飛び込んでくるのは先ほどと同じ艦橋の光景であった
 

  (何だ? 何が起こった)


 敵は確実にこちらを沈めに来ていた

 肉眼で確認できる距離まで近づいて、砲撃を外すはずがない

 夢でも見てるのか? などと素っ頓狂な考えが頭を占める


  「甲板だ! 甲板を見てください」


 観測手が叫ぶ声がそんな自分を現実へ引き戻す

 艦橋の皆がその言葉に反応し、割れ窓から艦橋を望む

 そこには、

  
    ズダダダダ

       ズダダダダダ
  

 果敢に深海棲艦へと銃撃を加える男たちの姿があった

 数名は残された銃座に座り、残りは自前の拳銃を海に向かって発砲している

 その1人の後姿に見覚えがあった

 あの背中は間違いない、艦橋へ案内する時に見せた野田のものだった 
 


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