435: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/03(日) 22:17:42.01 ID:S7IZuXaP0
その日はあっという間に過ぎ去った
提督とその秘書が不在の鎮守府へと行く理由もなく、やることといえば溜まりにたまった書類の整理のみ
例の海上演習で忙しいのか日下部を始めとした兵科の面々が自分を訪ねてくることも無い
そんな調子で殆ど自分の机の上で過ごしたせいか、やけに早く一日が終わった印象だった
「よし……」
ホッと一息をついて、軽く伸びをする
そのまま視線を軽く下ろすと、乱雑に重ねられた資料の上に工場から送られてきた工程計画表が目に入る
そこには日付を示す枠とそれに跨って書かれた矢印、その作業内容が細かく書き込まれていた
既に工場の兵器製造ラインは通常の7割程度まで稼働しており、改修終わりで一息いれていた現場が通常運転に戻り始めた頃だった
(計画まであと数ヶ月か……)
これから数ヶ月で目標とされている兵器の生産数を見て、本番となる大規模作戦が差し迫っていることを肌で感じる
美津島提督が総司令となり、自分が艦艇を使った起動部隊の長官に任命された戦い
二重の意味で負けられない戦いがすぐそこまで迫っていた
「ふあぁ……っ!」
不意にあくびがこみ上げ、情けない声が響く
時計を見ると午後十一時を数分ほど回った時刻、いい加減に明日の業務に支障が出る時間であった
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