441: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/03(日) 22:41:04.03 ID:S7IZuXaP0
未だにハッキリしない事態の全貌に中佐も判断を決めかねているのだろう
これが通常状態で船を3隻持っていたならば、すぐにでも出撃準備を整えているはずだ
だが、今は多大な予算をかけて改修させた艦艇が一艘のみ、万一これを失えばこの基地から船が無くなる
出撃させるべきだという軍人としての考えと船への危険は避けるべきという責任者としての考えに板挟みにされて身動きできない
掻き揚げた髪に交じる白髪は、そんな悩みを表すように疎らであった
「中佐は、どのように考えでしょうか?」
「出撃もやむ負えない、とは考えている」
「お前は……どうだ?」
帽子を被りなおした五十嵐は、腹を決めたように答えを絞り出す
傍らに置かれたティーカップには熱を失ったブレンドティーが飲みかけで放置されていた
「……出撃すべきだと思います」
「そう言うと思ったよ」
得心したといった具合に、息を吐きながら呟く
こちらの顔にあった視線は自然と逸らされ、天井の方を向いていた
自分から話すことは無くなったという風な態度を確認して、今度は自分の考えを伝える
「ですが、今すぐにと言う訳でありません」
「……と言うと?」
「闇雲に出撃するのは危険です」
「少なくとも消息の分からない者は何者で、何処で襲われたかを調べる必要があります」
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