454: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/10(日) 23:28:14.28 ID:bONm3BLJ0
  
   「これは……何なのですか」 
  
  
  目の前に付きだされた奇妙な物体を訝しみながら、指先でそれを触ろうとする 
  
   
   「ダメだ!」 
  
  
   「はわっ……」 
  
  
  それを強い調子で制止ながら、わざとらしく急いでホルスターへカメラと戻す 
  
  怒鳴られた少女はビクリと震えると、おびえるような目つきでそれを眺めていた 
  
  その様子に満足して、今のはスパイの秘密道具だとか、いきなり触ると何が起こる分からない等と嘘を重ねる 
  
  
   「ほ、本当なの?」  
  
  
  そんなやり取りを経て、疑惑が不安に変わったのだろう 
  
  偽物の件はすっかり忘れて、先ほどの話が本当かどうかを確かめてくる  
  
  だが、あえてそれには答えずに彼女の右肩を軽く2、3回たたいた 
  
  嘘を付くときは『本当だ』と言い切らない方がボロが出ない、下山田の入れ知恵だ 
  
  
   「わ、分かりました」 
  
   「今すぐ大尉さんのところまで案内するです!」 
  
  
  何をどう理解したのか全く分からないが、とにかく少尉のところまでは行けるらしい 
  
  ひとまずホッと息を付くと、新たに気を引き締めながら彼女の後に付いていく 
   
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