462: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/17(日) 22:54:32.62 ID:9cSMv6Rc0
  
   「誰が……」 
  
  
  その疑問は自然と口に出ていた 
  
  誰かが行方不明となれば、その『誰か』が気になるは当然の心理である 
  
  だが、それを言葉にするのはまた別の問題だ 
  
  己の不用意な発言に背筋に冷たいものが走る 
  
  いずれ聞かなければならない事だとしても、今この時ではなかった 
  
  完全な失言だったが、次に打ち出すべき挽回の一手を考えなければならない 
  
  はやる心を押さえつけて自分が取るべき行動の最適解を探ろうとする 
  
    
   「美津島提督の秘書」 
  
   「……貴様がよく絡んでいた彼女だ」 
  
   
  しかし、それも次の発言によって全て吹き飛でしまった 
  
  
   「なにっ……!」 
   
  
  気づけば、右腕で机を叩き付け、身を乗り出す格好になっていた 
  
  突然の行動に両脇の艦娘が驚いたような反応をしているが、そんなことはどうでも良い 
  
  報告を受けた時から頭の片隅に燻ぶっていた悪い予感、それが現実のものとなったのだ 
  
  例えようのない焦燥感が、早鐘を打つ鼓動となって耳元まで伝わってくる 
  
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