472: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/25(月) 22:27:29.08 ID:FN+t7kdx0
工長室へと戻ると、すぐさま五十嵐中佐に鎮守府での出来事を報告する
すでに日下部とは基地に出戻った時点で別れており、出撃準備に加わるよう命令していた
「そうか……」
全ての報告を終えると中佐はそう呟いた
そして、手持無沙汰に握っていたペンを半回転させ、その端を机にぶつける
室内に軽い音が響くが、すぐに外の喧騒に飲み込まれていく
「で、彼女は生きている?」
そのペン先をこちらへ向けながら、左手を顎の下にして尋ねてくる
迷うことのない鋭い質問
さすがに防衛隊の主要な基地を任されている将官だ
下手な小細工などせずに核心を突いてきた
「正確には分かりません」
当然、現状では彼女の生死は不明だ
このように答えるほかはなかった
しかし、これだけで終わらせるわけには行かない
「……これを見てください」
胸ポケットにしまっていた例の無線標識の記録を差し出す
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