474: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/04/25(月) 22:29:55.03 ID:FN+t7kdx0
「そこまで言われちゃ悩んでいられんな」
「出撃は予定通り3時間後、船の積み込みが終わり次第だ」
「救出部隊の隊長は……」
そこでいったん話を切ると、脇に置かれていたティーポットからカップに紅茶を注ぐ
自分が居ない間に沸かし直したのであろう、注がれた琥珀色の液体から湯気が立ち上る
立ち込める紅茶の匂いが抑えていたはずの睡魔を刺激し、漫然とその様子を眺める
「頼んだぞ、君嶋特務中尉殿」
「はい……?」
そんな様子を見破られたのか、からかう様な口調で五十嵐中佐が続ける
睡魔にやられた頭が呼ばれた階級の違いに一瞬処理不良を起こすが、すぐに冗談だと理解する
「そんな調子じゃ、船上で眠りこけても知らんぞ」
「技術部の連中に頼んでコーヒーでも貰って来たらどうだ?」
すこし遅れて敬礼と返事を返すと、紅茶をすすり終えた中佐に冗談を返される
その言葉を受け止め、知らずに緩んでいた精神を再び引き締めた
いざ海に出ても睡魔にやられてたんでは意味がない
自分の士官室にも日下部が持ちこんだインスタントのコーヒーがあったはずだ
(あれでも飲んで眠気を飛ばすか)
そんなこと考えていると、不意に後ろの扉がノックされる
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