過去ログ - 軍人たちの艦隊コレクション
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503: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/05/09(月) 23:10:56.76 ID:AzHtbRrs0

  「彼女を助けるにはそれしかない」


 その疑念を払拭するように強い口調で言い切る

 もちろん、この作戦に絶対の自信があるわけではない

 細かいことを考えれば、穴だらけでどうしようもないものに見えるだろう

 だが、ここで実行に移せなければ、自分たちがここまでやってきた意味は無い


  「井上、このまま直進だ」

  「敵の航路で待ち伏せするぞ」


 自分自身の迷いを吹き飛ばすように真っ直ぐ前を振り向く

 正面の窓からは、いまだ深い藍色に染まった空と黒くうねる波が見える

 『了解』と返事を返して舵輪を握る井上の背中も視界に入った


  「小林、全船通信だ」


 そのまま小林に通信の準備をさせ、手元の通信機へと手を伸ばす

 通信機のマイクを手に取ると、小林の声と共に手元のランプが点灯した

 スピーカーから流れるノイズが通信がつながったことを証明する


  「艦橋の君嶋だ」


 通信が繋がったことを確認し、自分の名を名乗る



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