547: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/06/18(土) 22:07:53.66 ID:urIs08YJ0
無防備に放り投げだされ、盛大に床に叩き付けられる
とっさに受け身を取って体を守るが、防御に使った両腕を強かに打つ
持っていた通信機もどこかに放り投げていた
「ぐっ……」
打ち付けられた拍子に、肺から押し出された空気がうめき声となって漏れる
だが、そんな体の痛みなどどうでも良かった
今は自分の身を案ずるよりも先に、ある一点に思考を集約させていた
(敵が生きていたのか?)
まさか、そんなことがあるはずがない
あの敵はミサイルの着弾によって沈んだ、それはしっかりと確認した
(では、一体何が……)
うつ伏せになったまま思考を巡らせるが、その答えが出るはずもない
現状に理解が追いついていない頭を右手で押さえながら、左手を支えに立ち上がる
操作盤の影に隠れていた艦橋があらわになると、
「これは……!」
右手に半分隠れた視界には衝撃の光景が映った
艦橋から外を見下ろす窓には何かの金属片が突き刺さり、そこから蜘蛛の巣状ににヒビ割れている
そのヒビ割れの向こうには捲れあがった甲板とその隙間からチラチラと見える赤い炎が窺えた
「少尉……無事でしたか」
立ちあがったこちらの姿を確認したのか、頭から血を流した井上が話しかけてくる
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